中国の偉人?像のお直し その1 石川光治 |
09月20日2014年(土) |
数カ月前に持ち込まれた像のはなしです。 まず、電話問い合わせで 「仏像ではないですが 彫刻像の修復できますか?」 といったことでした。 今までに仏像、狛犬などいくつかのお直しはしています。 電話の話から感じるところどうもそういったものではなさそうでした。 「見せていただければたしかなことを申せます」 「では、近いうちにお持ちします」と とんとんと話はすすみお越しになることを待つことになっていました。 たしか数週間後6月中旬ごろにお持ちになることになりました。 お越しになるみなさんにすれば土日や祝祭日がお出かけしやすいので、 私の都合がつけば休業日もご相談を承っています。 この方もそのようにしてお越しいただきました。 やはり休業日の工房はゆるやかで静かな雰囲気があります。 そこでは落ち着いてゆっくりと 持ち込んでくださった方のお話をお伺いできます。 思い出工房のお客様との打ち合わせはほぼこんな雰囲気です。 その方々はご夫婦できっと60歳代ぐらいのように思います。 持ち込んでこられた包みを開かれるとこんな像が出てきました。 ![]() ![]() 足元のところが割れていました。 全体に細かな欠け破損があります。 そこでいつも通りご要望を聞かせていただきます。でも、 このたびもその像についてのお話をされました。 「思い出工房」に持ち込まれるお直しのお客様は、 どなたもこちらから聞かなくても そのもののエピソードをお話しくださいます。 この話は私たちにとっては重要なことです。 それはお話の内容のことではありません。 私がその方のそのものへの思いを知って、 お直しをするチームみんなには その思いにあるものを大事にしてもらうことです。 おはなしはほぼ奥さまから次々と出てきました。 どうも奥さまご実家にあったもののようです。 そのお父様が大事にされていて、 仕事の関係で中国、台湾によく行き来されていたようです。 私にはお父様が活躍されていたことと その像が重なるように聞こえるお話でした。 私はこの像にお父様のことが その奥さまの心にきざまれているように感じました。 これでまた「思い出工房」のするお直し=思い出修復 が一つ加わることになりました。 |
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切って出し日記 Ver1.8 CGI-PLANT |